本日のtete

フリスクの現愛車　『家定』
この車で13代目になるため、
徳川将軍家にちなんでこの名前で呼ばれている。

フリスクは免許を取って17年、
本当に多くの車を故障や事故や車検切れなどで失ってきた。
だが、その中に一台、
このわたしが葬った一台がいた・・



＜カルマンギア　イエローコンバーチブル　　5代目綱吉＞

当時でもかなりレアな車で、購入費用は約200万。
おそらくフリスクの人生で一番高価でカッコいい車だったろう。

そんな彼の愛車を葬る悲劇は十数年前におきた。

当時私達は２０代前半
元気がありあまっていた仲間達は行くと言えばいつも十数人が集まり、
金もないのに暇さえあれば酒飲んで、酔っ払ってその辺をほっつき歩いていたものだ。

そんなある日、
いつもわたしの足になる予定のフリスクが珍しく焼酎ボトル一気でノックダウンしてしまった。
困った私は仕方ないので
フリスクを助手席に突っ込みカルマンを運転、
次の店に向かうべく仲間の車の後についていった。

そして間もなく二軒目というところで衝撃の出来事は起きた。

仲間→わたし→仲間の車3台でザザ（当時は西武）の前の大通りを走っているときだった
なぜか突然前の車が急停車！

ドー－－ン！！！

（あ！？カマほったか！？　ボ,ボンネットが盛り上がって前が見えない）

その直後に後ろから！

ドー－－ン！！！

う、後ろからもか！

た、玉突きじゃないか

あまりの衝撃のせいか、それとも挟まれたせいかカルマンの前と後ろはまさにペシャンコ・・
まぁ、なぜか中のわたし達は無傷だったけど

そして前後の衝撃により、ついに寝ていたフリスクが起きた！

フリスク　　「なに？　　なになに？　　
　　　　　　　は！？」

わたし　　「・・・・」


その後皆で車を動かし路肩で色々と確認したところ、
結局誰が悪いのか、どうしてなったのかはわからなかった。

だが幸いけが人はなく、皆の車もへこんではいたが最悪ではなかった。

フリスクのカルマンを除いてだが

フリスク　　　「う、うわーん！！　
　　　　俺の、俺のカルマンがー
カルマンがー！！！

わたし　　「フリスク良く聞け！　カルマンはな、星になったんだ！
　　　　　　自らを犠牲にしてお前を守ったんだ！」

フリスク　　「うわーん、　俺のカルマンがー、　
　　　　　　カルマンがー　」

わたし　　　「うるさい！！　いつまでもメソメソ、メソメソと
　　　　　　　お前はメソポタミア文明か！！　」

フリスク　　「・・・・

　　　　　うわー！俺のカルマンがー　　
　　　　　カルマンが～！」

『フリスクのカルマンはきっとだめだろう』
そこにいる誰もが感じていただろう。


その後はカルマンを近くの駐車場に預け、
泣き止まないフリスクを引き連れわたし達は次の飲み屋へと繰り出した。



数日後、

工場からフリスクに連絡が入った。

カルマンは廃車になると。

購入して2ヶ月、フリスクとカルマンの繋がりは短くして終わってしまった。


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それからというもの、わたしはカルマンギアや黄色い車を見かけると

いつも罪悪感を感じる。

『あー、かわいそうな事をしてしまった』と。


しかし、
他の仲間はいつもわたしにこう言う。

『フリスクは13台中8台は事故でおしゃかにしてるから、
カルマンの運命は変わらなかったよ。
それよりもあの時kenが運転していてくれて助かった、
あの時の運転が、下手くそなフリスクだったらおそらくもっと悲惨な事故になっていたはずだし、
kenも助手席だったら生きてなかったかもよ』

罪悪感はあるが、確かに一理ある意見だと思ってしまうわたしだった。



※「本日のK日記」より抜粋